優しさだけが優しさじゃない

学生時代に何かに打ち込んだ経験はないけど、人に誇れるような強みもないけど、
会社に入ってどんな社会人になりたいという思いもないけど、
加えていうなら愛嬌もなく、愛想よく振る舞う気持ちもなく、考え方は他責的で、
ネットの書き込みだけで企業の価値を判断してしまうような稚拙な思考しかないけど、

そんな学生に限って、
・土日は完全に休みたい
・残業はしたくない、17時には帰りたい
・ブラック企業には入りたくない
・〇〇はしたくない、〇〇業界はなんとなく嫌

と、あれこれ企業へ注文をつけがちである。

例えるならこれは、500円しか持ち合わせがないのに、
本格的なトラットリアでフルコースを頼もうとしているようなものである。
500円では、カプレーゼすら頼めない。

500円あれば、
吉野家の牛丼並に、卵をつけてお釣りまでくる。
普通に考えればこれで充分なはずだ。

しかし、学生は500円しかないのに吉野家は嫌だという
トラットリアでフルコースがどうしても食べたいと。

どうしても食べようと思えば
1.今食べるのは無理だから、お金を貯めて将来食べる
2.500円しかなくても、なんとか食べさせてもらえるよう必死に頼み込む
のどちらかしか方法はないだろう。

そもそも、2ができる学生は500円以上の価値があると僕は思う。
そうなると、残った選択肢は必然的に1となる。

今の自分の新卒採用市場に於ける価値というものは自分自身では分からない、
大人達は子供を傷つけないように、このあたりの現実をストレートに伝えない、
結果【高望みし続け、就職先が一向に決まらない】学生を生んでしまう。

よくキャリアカウンセラーが【WILL】【CAN】【MUST】の相関図で
学生に就職活動のアドバイスをするケースがあると思う。
忘れてはいけないのは【WILL】も【CAN】もない、【MUST】を受け入れる
ことから【WILL】や【CAN】を見出さなければならない学生層が少なくないことである。

そのような学生たちに僕ができること、しなければならないことは
厳しい言葉であっても、学生自身の現在の市場価値を確りと認識させ
現実を知らしめることと、未就職で卒業してしまうことの危険性を理解させることである。

その上で、現時点で就業できる企業の選定とその先のキャリアビジョンを
描かせる手助けをしていくことである。

良薬は口に苦い、
「めちゃくちゃ苦い、でもものすごい効き目がある」そんな薬になれたらなと思う。

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