1週間

これだけ人材確保が難しい時代、
各企業は求人広告に莫大な費用を投資したり、
従業員の縁故知人をリクルーティングしたり、
エージェント経由で高額なフィーを対価に人材を採用したり、
まさにありとあらゆる手段を使って「人」の獲得に躍起になっている。

前職時代には僕も、様々な企業へエージェントの立場で
キャンディデイトの提案をさせてもらった。

そんな中で、必ずと言っていいほどぶちあたる問題があった、
それは「面談後に採否連絡をもらえるまでの期間」の長さである。

前職時代は、ある程度業界に特化した人材サービスを行っており
特に恒常的に人材が必要な企業が多かったため、「少人数採用型」というより
「大量採用型」がメインであったが、にも関わらず企業によっては
採否連絡をもらえるまでに1週間以上を要する場合があった。

ハイクラスからミドルクラスは言わずもがな、今はローキャリア層でも
ポテンシャル採用に力を入れている企業の間で争奪戦が繰り広げられている。

採否連絡に1週間も要していて、その間にキャンディデイトが他の企業も受けずに
大人しくなにもせずに只結果を待つ、というようなことがあろうはずがない。

採用側からすれば、採否連絡に1週間時間を要する背景としては

1、1週間の間に他の候補者の面談があり、全ての面談を終えて相対的に評価して決めたい場合
2、面談担当者に決裁権が無く、社内で採用に繋がる上申を行っている場合
3、1週間以内にもっといい応募者が現れるかもしれない可能性を信じて様子見

等が主な要因だと思われる。

そもそも面談者に決裁権が無いのであれば、決裁権のある人間が面談者になるべきであるし
少人数採用で無く大量採用を考えているのであれば「相対評価」ではなく「絶対評価」
で採否を決定すべきである。

企業側は、必要なポジションの人材を採用する際
採用判断の物差しを「相対」か「絶対」のどちかに定めるべきだが
昨今の採用市況を考えてよほどの大手で無い限り「絶対」に振らざるを得ない。

そして、「絶対評価による採否決定」を行うのであれば上記に挙げた要因は
結果連絡が遅延する言い訳にはなり得ない。

にも関わらず、あと1日だけ結果を待って欲しがったり、週明けまで結果を
先延ばしにするような企業が、採用活動に於いて「良い結果」を残せる可能性は
無いといっても過言ではないだろう。

1日先延ばしにしたとして、その1日でどれ程そのキャンディデイトの採否に関し
真剣に社内で話し合いをするというのだろうか?週明けまで先延ばしにした場合、
土日も休日返上でその人を採用すべきかどうか考えるのだろうか?1週間答えを保留すれば
その人の良い点悪い点がクリアになり正しい採用結果が導けるというのだろうか?

営業と採用に共通する重要なファクターは「スピード感」と「決断力」である。

採用活動がうまくいっていない企業は、市況のせいだけにして嘆かず
自社の採用における「絶対的な基準」を設け、採否に関して「スピード感」を持って対応し
現時点で結果を出せていない要因となっている採用担当者を別の担当者へ変える「決断力」
を持つ覚悟が求められる。

労働力人口が減少していく中で、旧態依然とした採用活動を継続して生き残れるはずがない。
大事なことは採用に関する企業の姿勢・意識の問題に他ならない。

企業価値を明日変えることはできなくても、今日から意識を変えることは可能なのだから。

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