貴重品の管理

お金に関する価値観は様々である、

よく経営者は自社の従業員に対して
「会社の経費と思わずに、自分の財布から出していると思え」
という訓戒を述べる場面があると思う。

従業員に対して、経営者的感覚を養ってもらい
かけた経費に対して正当なリターンが得られるよう熟考して
会社の経費を使いなさいという意図が込められているのだろう、この点は充分理解できる。

只、その意図通りに事が運ぶかというと甚だ疑問である。

何故なら従業員が会社のお金を自分の財布と思ってしまうと、結局はその人の
お金に対しての価値観に依存する部分が多く、【経営者的感覚】を養うどころでは
なくなるからである。

自分のお金をいかように使おうとも自由なのであるから、
ある人は収入以上にパチンコにお金を使い、ある人はローンを組んで外車を買い、
ある人は毎晩飲み歩き、またある人は、一日500円の節約生活を行って残りを
全部貯蓄するかもしれない。

自分のお金の使い方には善悪や法律といった、一応世間では絶対的とされる
尺度の物差しが介在しない為、個々人の価値観に基づいた判断に全てを委ねざるを得ず、
そんな判断で会社の経費を使われると大問題に発展しかねない。

この話を前職の上司と議論したとき、上司から言われたのは
「自分の財布ではなく、人の財布だと思え」
という解であった、なる程これならば一番しっくりくる。

やはり、自分の財布と感じるためには、自分へのダイレクトな実害がなければ難しい。
同様に、人(会社)の実害を自分の痛みと捉えられるように教育することも困難な課題である。

「人の財布を預かったからには、最小限の経費で最大限の効果を出そう」

今のところ僕は、自分の財布は自分で管理している。

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